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胃ポリープについて ~過形成性ポリープ~

こんにちは、消化器内科医のべっちょむです。

胃のポリープには胃底腺ポリープと過形成性ポリープの2種類があり、前回は胃底腺ポリープについてお話ししました。胃底腺ポリープは見つかっても経過観察で大丈夫でしたが、過形成性ポリープはどうでしょうか。

今回は、過形成性ポリープについて解説していきたいと思います。

この記事を書いた人

べっちょむ先生

資格:内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医。FP2級、簿記3級。

消化器内科を専門とし、病気だけでなく患者さんを幅広く診れる医師でありたいという思いから、2024年4月から訪問診療を行っています。

一児の父。映画鑑賞と温泉が至福の時。ゴルフとキックボクシングもやってます。

目次

1 過形成性ポリープとは

胃底腺ポリープは周りと同じ色で主に白っぽくてツルツルしていましたが、過形成性ポリープは赤みがあるのが特徴的で大きくなるとぼこぼこした形が目立ちます。

また、胃底腺ポリープはピロリ感染のない胃に多かったですが、過形成性ポリープはピロリ菌に感染している胃にできやすいです

2 過形成性ポリープの症状

基本的に無症状です。

しかし、頻度は多くはないのですが大きくなったり数が多くなった場合に出血や癌化することがあります。

赤みが強いということは血流が豊富ということなので出血しやすいんですね。特に血液サラサラの薬を内服している方や血液透析をしている方では出血しやすいので注意が必要です。

ポリープからの出血

ちなみに、癌化しやすい形態は茎を有するものが多く、サイズは2㎝以上で4.8-8.2%、2㎝以下で0.5-1.8%と2㎝以上で癌化のリスクが高まると報告されています。

3 過形成性ポリープの治療

治療は胃底腺ポリープと同様、基本的には経過観察で大丈夫です。

ピロリ菌が原因となることがほとんどなので除菌治療を行うことによって多くの場合で縮小や消失が期待できます(ピロリ菌に関しては「ピロリ菌とは?(前編)(後編)」を参考にしてみてください)。

しかし、癌の可能性があるもの除菌しても2㎝以上で増大傾向にあるもの出血による貧血を認める場合には切除の適応とされています。癌の可能性があるものに関しては、見た目で疑わしい場合に生検を行って診断します。

あと、胃酸抑制薬(PPI, P-CAB)の内服で胃底腺ポリープが増加、増大することがあることを前回お伝えしましたが、過形成性ポリープでも同様のことがあり、ピロリ除菌後も増加、増大するときは薬剤中止が有効なことがあります。

PPI, P-CABの具体的な薬品名です(カッコ内は商品名)。

PPI:オメプラゾール(オメプラゾール)、ランソプラゾール(タケプロン)、ラベプラゾール(パリエット)、エソメプラゾール(ネキシウム)
P-CAB:ボノプラザン(タケキャブ)

4 まとめ

胃底腺ポリープと過形成性ポリープの2回に分けて胃ポリープについて解説してきました。

胃底腺ポリープ、過形成性ポリープともに基本的には経過観察で良いですが、過形成性ポリープでは少し注意が必要といったところです。また、大腸ポリープは切除することが多く、胃と大腸でポリープの扱いが違うので後日解説したいと思います。

では、また!

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