この間の健康診断で脂肪肝の疑い、と書かれてました。コロナが明けて飲み会が多かったからかな~
脂肪肝は健康診断を受けた男性の約30%、女性の約10%に指摘されると言われており、非常に多い疾患なんです!
脂肪肝は何が良くないのか、そして治す方法4選について説明したいと思います。
この記事を書いた人
べっちょむ先生
資格:内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医。FP2級、簿記3級。
消化器内科を専門とし、病気だけでなく患者さんを幅広く診れる医師でありたいという思いから、2024年4月から訪問診療を行っています。
一児の父。映画鑑賞と温泉が至福の時。ゴルフとキックボクシングもやってます。
1 脂肪肝とは?
脂肪肝とは?
脂肪肝とは、文字通り肝臓に脂肪分(中性脂肪)が蓄積した状態のことをいい、いわゆるフォアグラみたいな状態です。
通常の肝臓は赤い色をしていますが、脂肪が蓄積すると白く変色します。
ちなみに、脂肪肝はエコー検査でも肝臓が白く光って見えるので、ブライトリバー(Bright liver)と呼ばれます。
肝細胞に中性脂肪が蓄積することにより肝障害が生じて、肝臓の数値(AST/ALT)が上昇します。
脂肪肝の原因
原因は多量飲酒と食べすぎ(過食)になります。
多量飲酒
目安としてエタノール60g/日(日本酒3合、ビール中瓶3本、ワイングラス5杯)を5年以上飲酒していると肝障害を起こすと言われています(ただし、女性や遺伝的にお酒に弱い人は40g/日程度でも肝障害を起こしうるので要注意です)。
食べすぎ(過食)
過食により肝臓に脂肪が蓄積すると脂肪肝になり、この場合を非アルコール性脂肪肝障害(NAFLD)とよばれます。
メタボリックシンドロームや糖尿病を合併していることも多いですね。
2 脂肪肝の怖さ
脂肪肝の症状は、全く何もなく無症状です。
しかし、脂肪肝によって肝臓の細胞がダメージを受け続けると、徐々に肝臓が弱っていき最終的には肝硬変になる可能性があります。肝硬変になると肝細胞癌ができたり腹水や黄疸、消化管静脈瘤が出現する可能性があります。
脂肪性肝炎とは、脂肪肝により肝臓の数値が基準値以上になっている状態のことをいいます。
肝硬変になってしまうともう元には戻りません。そうなる前に対策を取りましょう。
3 脂肪肝を治す方法4選!
①お酒を控える
まずはお酒を控えましょう。アルコール性脂肪肝の方は勿論、NAFLDの方も飲酒量が多いと肝臓に負担がかかり肝硬変への道を早めてしまう可能性があります。もちろん断酒が望ましいですが、ビール1本に抑えたりノンアルコールビールにして休肝日を設けて長い目で飲酒量を減らせられるよう心掛けてみてはいかがでしょうか。
最近はノンアルコールビールも結構おいしいですよね!
②糖分を控える
糖分摂取により中性脂肪が増えて脂肪肝に繋がります。糖分の多く入った飲料やスナック菓子は出来るだけ避けましょう。また、お米も糖分ですのでNAFLDの方は半分にしてみるなど摂取量を減らす方が良いです。
③持続可能な運動
有酸素運動や筋肉トレーニングを行うことにより体に溜まった余分な脂肪や糖分を減らすことが出来ます。結局は減量ということになり、毎日30分以上のウォーキングや5~10%の減量により肝臓の数値が改善したという報告があったりします。とはいえ、一番大事なことは「続けること」ですので、無理のない範囲内で座る時間を少なくしたり、歩ける距離は車や自転車を使わずに歩いてみるなど簡単なことから始めて習慣化してみて下さい。
④睡眠不足を避ける
睡眠は肝臓とはあまり関係ないように思うかもしれませんが、睡眠が不足すると中性脂肪やコレステロールが増加すると言われており実は脂肪肝の悪化に繋がるんです。十分な睡眠をとるように心掛けるようにしましょう。
4 まとめ
今回は脂肪肝についてまとめてみました。
結局、食事や運動で減量してくださいとか飲酒を控えて十分な睡眠をとりましょうという当たり前の話になってしまいましたが、健診で脂肪肝を指摘される人が多いというのはこの当たり前のことが出来ていない人が多いということなんですね。
肝硬変や肝癌は非常に恐ろしい病気で、脂肪肝はその前段階であるということを肝に銘じて生活を見直してみてください。
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