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糖尿病① 初期症状 5選

最近周りで糖尿病になっている人が増えた気がするわ。飲み薬を飲んでいる人が多いけど、インスリンの注射を打ってる人もいるわ。

糖尿病って尿に糖が混じる病気?
ふわっとしたイメージしかないけど、具体的にどんな症状が出るんだろう…??

こんにちは、消化器内科医のべっちょむです。

糖尿病はとてもメジャーな病気で実は日本人の6人に1人(約2000万人)が患者もしくは予備群といわれているほど身近な病気なんです。とくにアジア人に多い病気で、世界で6秒に1人が糖尿病で命を落としている、とてもこわい病気なんです。

この病気のさらに恐ろしいところはサイレントキラーとも呼ばれ、かなり進行するまで基本的に症状がないということなんです。

今回は進行してから出現してしまった、糖尿病の初期症状5選について解説していきたいと思います!

この記事を書いた人

べっちょむ先生

資格:内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医。FP2級、簿記3級。

消化器内科を専門とし、病気だけでなく患者さんを幅広く診れる医師でありたいという思いから、2024年4月から訪問診療を行っています。

一児の父。映画鑑賞と温泉が至福の時。ゴルフとキックボクシングもやってます。

目次

1 糖尿病の由来

糖尿病は血液中の糖分が異常に増えてしまうことで、尿にも糖分が漏れ出てしまう病気のことをいます。糖尿病(Diabetes mellitus)の語源は古代ギリシャに遡り、尿が異常な程出る病気としてギリシャ語のDiabetes:流れ去るから由来しています。そして、17世紀になって尿が甘いということが分かりラテン語のMellitus:甘いという意味が追加されたようです。

糖尿病になると、全身の動脈に糖分が蓄積したり、炎症やストレスなどが原因となり血管が硬くなったり狭くなります。血液や尿に糖分が多いこと、血管がじわじわと狭くなっていることは知らない間に進行して症状はほとんどでません。そして、症状が出たころにはかなり進行していることがほとんどです。

ですので、今回ご紹介する糖尿病の初期症状とは、「糖尿病初期の症状ではない!」ということに注意してください。

2 喉の渇き、頻尿

尿に糖分が多くなると尿を薄めようとして尿の量が増えて、頻尿が生じます。また、血液中にも糖分が増えると血液がドロドロになって体はそれを薄めようと「水を飲め!」と指令を出してたくさん水分を摂るようになります。尿の量が増えることも喉の渇きや多飲の原因になります。

そこで注意しないといけないことは、喉が渇いた時にスポーツドリンクやジュースを飲んでしまうとまた血液中に糖分が増えて悪循環になってしまいます。その結果、異常に血糖値が上昇して喉の渇きや倦怠感、吐き気などの症状が出現することがあり、救急車で運ばれることもあります。

ちなみにこの状態はペットボトル症候群と名付けられています。

3 体のだるさ、体重減少

糖尿病と言えば肥満!というイメージがあるのではないでしょうか?

確かに肥満になると血糖値を下げるホルモンであるインスリンが効きにくくなり血糖値が上がりやすくなります。糖尿病はインスリンが出ないor効きにくいという状態で、インスリンは血液中から細胞に糖分を取り込むという役割を果たしていることから、糖尿病が一定ラインを越えると細胞に糖分が取り込まれずに体は栄養不足の状態と判断します。

その結果、体の筋肉や脂肪を分解しはじめるので、糖尿病が進行すると体重が減少したり倦怠感が出ます。

とはいえ、体重減少する病気にはあらゆる癌や他の病気のことも考えられます。いずれにしても体重が異常に減ってきたという場合は病院を受診しましょう。

4 目のかすみ

糖尿病になると動脈硬化が起こって血管が細くなったり詰まりやすくなるとお伝えしていましたが、特に細い血管からやられやすいです。そして、体の中で細い血管はどこかというと、、、神経腎臓なんです。

目を栄養している血管が詰まると目がかすんだり、小さい蚊が飛んでるように見えたり(飛蚊症といいます)して最悪の場合失明に至ることもあります。

5 手足のしびれや痛み

次に、神経が障害された場合に、体の中で特に細い神経が通っている手足の先端から症状が出てきます。手足の指先や足先にしびれやチクチクした感覚が現れ、手袋靴下型の神経障害といわれます。また、鋭い痛みや焼けるような感覚を感じたり、触覚や温度を感じにくくなることがあります。

そのため、傷や火傷に気づきにくくなり足の裏に傷があっても気づきにくく感染を起こすこともあります。

6 感染症になりやすくなる

糖尿病になると免疫機能が低下してあらゆる感染症になりやすくなってしまいます。血流が悪くなるので傷の治りも悪くなり、術後の傷が治りにくくなるため手術を行う前には血糖コントロールをしっかりする必要があります。また、多尿になるため身体が脱水傾向になり皮膚の乾燥やバリア機能の低下から水虫にもなりやすくなります。

糖尿病の人は感染リスクが高くなるので、血糖コントロールをしっかりすることと、インフルエンザや肺炎球菌のワクチンは受けるようにしましょう。

7 まとめ

糖尿病の初期症状5選について説明してきましたが、いかがだったでしょうか?

どれもささいな症状だったと思いますが、今回ご紹介した症状が出た場合にはすでに糖尿病が進行していることがほとんどなので、改めて「糖尿病初期の症状ではない!」ということに注意してください。

症状が出にくいので、糖尿病は予防と早期診断がとても大切になります

次回は糖尿病の検査と診断について解説していきます!

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