
肥満と肥満症があるってこと、メタボリックシンドロームとの違いについて詳しくは知らなかったですね~



肥満は生活習慣病の予備軍、肥満症はすでに何らかの生活習慣病を持ってしまっているということですね。



とにかく痩せればいいんでしょうけど、なかなか簡単にいかないこともありますよね。。



そうですね。最近はやせ薬なんかもあるようで少し気になります。
こんにちは、消化器内科医のべっちょむです。
前回のブログで、肥満と肥満症があること、メタボリックシンドロームとの違いなどについて解説しました。
肥満はBMIが25以上という定義で、肥満症はそれに加えて高血圧や糖尿病などの何らかの生活習慣病を持っている人でしたね。メタボリックシンドロームも心筋梗塞や脳梗塞などの血管系の病気のハイリスク群ということで、いずれにしても生活習慣病や命に関わる大きな病気になる可能性が高まるということです。
可能な限り肥満の状態から脱して健康的なカラダを維持したいですよね。
ひとえに減量といっても、どれくらいを目標にしたらいいのか、具体的にどうしたらいいのかといった指標があれば取り組みやすいと思います。また、最近話題になっている痩せる薬についても触れつつ解説していきたいと思います。
この記事を書いた人


べっちょむ先生
資格:内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医。FP2級、簿記3級。
消化器内科を専門とし、病気だけでなく患者さんを幅広く診れる医師でありたいという思いから、2024年4月から訪問診療を行っています。
一児の父。映画鑑賞と温泉が至福の時。ゴルフとキックボクシングもやってます。
1 減量の目標
どれだけの減量、いわゆるダイエットを行なえば良いのか?
実は数値として推奨されているものがあり、
「3~6ヶ月で現体重の3%の減量」で血糖、血圧、脂質、尿酸、肝機能の改善することがわかっています。
減量は肥満症患者さんにおいて、目的ではなく他の生活習慣病や命に関わるよう病気の予防であり手段であるということを理解していれば挫折したり、成功してもリバウンドしにくくなるのではないでしょうか。
2 食事
まず基本となる食事について、
野菜などの食物繊維を多めに摂って、炭水化物を含む糖質制限や脂肪制限を中心に行います。
要するに白米や麺類は控えめにして、野菜をたくさん食べましょう!ということですね。
一応、1日の目標摂取量は、25kcal×目標体重(kg)以下とされています。



目標体重はBMI:22となる体重のことで
身長165㎝の方だと、
22×1.65×1.65≒60kgとなります。
目標摂取量は25×60=1500kcalですね!
ただし、目標と治療前の摂取カロリーに大きな乖離があることも多く、現実的に難しい場合には個々人に応じた目標を選択する必要があります。
3 運動
運動については、有酸素運動を中心に筋力トレーニング(レジスタンス運動)も取り入れればより良いといった具合です。
運動療法は糖尿病学会や高血圧学会など様々な学会から推奨されており、総じて毎日30分以上(もしくは週150分以上)の有酸素運動(ウォーキング、速歩き、ランニングなど)を行うことを推奨されています。
また、運動以外の時間もこまめに歩くなど座ったままの生活を出来るだけ避ける方が良いですね。
筋力トレーニングも週に2-3日で良いのでやり始めはストレッチや無理せず短い時間から始めて、段々慣らして腕立て伏せやスクワットなど10回×2-3セットくらい出来れば良いでしょう。
何より大事なのは継続することですので、無理ない範囲で習慣化していくことを目標にしましょう!
4 薬物療法
減量治療の基本は食事と運動になりますが、それらを3~6ヶ月行っても効果が得られない場合には薬物療法が選択肢に挙がってきます。具体的には糖尿病のお薬でGLP1作動薬やSGLT2阻害薬というタイプの薬が痩せる作用を持ち合わせており使用されています。現在保険適応となっているのは「ウゴービ」、「ゼップバウンド」、「サノレックス」があり、それぞれBMIが高く何らかの健康障害を有しており半年以上の食事運動療法を行っても効果が得られなかったと専門医が判断した場合に定められた医療機関でのみ処方できるようになっています。
保険診療ではまだまだ処方へのハードルが低くはないのが現状ですが、きちんと診察を受けて処方されるため安心感はありますね。それ以外で自由診療でも値段は高いですが「マンジャロ」、「リベルサス」など名前は異なりますが同様の作用のあるお薬が処方されており、保険適応の基準を満たしていなくても手に入れることはできます。
注意しないといけないことは、薬の副作用で嘔気や下痢、便秘などの消化器症状が出ることがあること、投薬を中止するとリバウンドする可能性が高いことです。



副作用があることをしっかりと認識した上で使用すること、薬をやめても食事や運動療法を継続しておくことが大事ですね。
5 手術療法
また、高度の肥満症に対しては手術という選択肢もあり、胃をスリーブ状に切除して小さくするという術式が用いられます。


他の治療法と比較して長期的にも効果的な体重減少が維持でき、肥満に関連した健康障害の改善効果も期待できます。
適応となるのは、BMIが32以上で何らかの肥満に関連する健康障害を有しており、半年以上の減量治療でも効果がない治療に難渋する方が対象となります。
内服治療と同様に手術可能な施設が限られているので近くの医療機関を検索していただく必要がありますが、治療に難渋する高度肥満の方であれば一度考えてみても良いでしょう。
6 まとめ
肥満症の治療について、いかがだったでしょうか?
やはり食事と運動が基本であり最も大事なことであり、他の治療法を行ったとしても食事と運動は継続が欠かせません。但し、それだけでは改善が難しいという場合には、やせ薬といわれるものを用いた薬物療法や治療に難渋する高度肥満の場合は手術という選択肢もあるので気になる方は一度医療機関で相談してみてはいかがでしょうか。
肥満の方は自分の怠慢や努力不足によって肥満が生じているという否定的な思いから受診を躊躇して診療の機会を逃していたり治療を開始しても減量効果が乏しいと脱落してしまうことが多いです。
肥満は社会的要因や心理的要因がもとでなることが多く、また、肥満症は治療しないといけない病態であるという認識を持って治療にのぞんでいただけたらと思います。
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