
便秘のお薬って色々種類があったんですね



毎日使ってたら効果が薄れてしまうのもあるんですね



知らずに使ってるとこわいですよね。
でも、できたら薬に頼らずに便秘を治したいですね
こんにちは、消化器内科医のべっちょむです。
前回は病院でもらう便秘薬について解説しました。
非刺激性下剤をベースで内服して、それでも便秘が続く場合は刺激性下剤や直腸刺激型を使用するのが良いです。
「薬を飲んでも便秘が治らない…」「できたら薬に頼らずに便秘をどうにかしたい…」といった声を多く聞きます。
便秘は生活習慣と深く関係していて、薬に頼る前に、日々の生活を見直すことで、便秘は大きく改善することがあります!
今回は便秘になりやすい生活習慣を紹介して、便秘予防に効果的な生活習慣について解説します。
この記事を書いた人


べっちょむ先生
資格:内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医。FP2級、簿記3級。
消化器内科を専門とし、病気だけでなく患者さんを幅広く診れる医師でありたいという思いから、2024年4月から訪問診療を行っています。
一児の父。映画鑑賞と温泉が至福の時。ゴルフとキックボクシングもやってます。
1. 食生活の見直し
まずは食事が大事です。
人の身体は食べたものでできているので健康状態や病気になりやすさは食事が関係していることが多いですし、便秘に関しては直接食べたものが関係してきます。
① 食物繊維の不足
- 原因:野菜・果物・豆類・海藻類の摂取不足
- 対策:1日20g以上の食物繊維を意識して摂取
- ポイント:水溶性(海藻・果物)と不溶性(野菜・豆類)のバランスが大切
② 肉類やインスタント食品・スナック菓子の摂りすぎ
- 問題点:動物性脂肪が多く、腸内環境の悪化や腸の動きの低下につながる
- 対策:週に何度かは和食中心の食事に切り替える、発酵食品(味噌、納豆、ヨーグルト)を積極的に取り入れる



便秘の予防になるような食生活は大腸がんの予防にもつながりますよ!
2. 水分不足
非刺激性下剤はそれぞれの作用を使って、便に水分を増やして軟らかくして出やすくするというものですので水分を多く摂ることにより薬を使ったときと同様に便が軟らかくなって出やすくなります。
- 原因:水やお茶をあまり飲まない、コーヒーやアルコールの摂取
- 便秘との関係:腸内の水分が不足すると便が硬くなり、排便が困難になりやすい
- 対策:1日1.5〜2リットルの水分摂取を目安にする(特に朝起きてすぐの1杯が効果的)



胃に物が入ると胃結腸反射という反射が発動して大腸が動いて便が出やすくなりますよ!
3. 運動不足
- 影響:腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が低下し、便が腸内に停滞しやすくなる
- 対策:毎日30分程度のウォーキングやストレッチを習慣化
- ポイント:腹筋を使う運動(軽い体操やヨガなど)が特に効果的



体を動かさないと腸も動かないってことですね
4. ストレスの影響
- メカニズム:自律神経の乱れにより、腸の動きが抑制されてしまう
- 例:仕事や学校での緊張・プレッシャー、人間関係の悩み
- 対策:リラックス時間を持つ、趣味や音楽・深呼吸・瞑想などを取り入れる
5. 排便の我慢
- 問題点:便意を繰り返し我慢することで、直腸の感受性が低下し便意を感じにくくなる
- 対策:「便意が来たらすぐトイレに行く」習慣を作る
- 理想:毎朝の排便習慣を目指し、朝食後にトイレに座る時間をつくる



出したいときに出さないと引っ込んじゃうこと良くありますよね~
まとめ:生活習慣を整えて、自然に出る身体をつくろう
項目 | 問題点 | 改善ポイント |
---|---|---|
食生活 | 食物繊維不足、脂質過多、加工食品中心 | 野菜・海藻・発酵食品を増やす |
水分 | 飲む量が少ない、コーヒー・アルコール中心 | 水を1日1.5〜2L意識する |
運動 | 運動習慣なし | 軽い運動を毎日続ける |
ストレス | 自律神経の乱れ→腸の働き低下 | リラックス法・趣味の時間を持つ |
排便習慣 | 便意を我慢、排便リズムの乱れ | 毎朝トイレに座る習慣をつける |
さいごに
便秘は「腸だけの問題」ではありません。
日々の食事・運動・水分・メンタル・排便リズムなど、生活全体を見直すことが大切です。
それが、便秘だけでなくて他の健康にもつながるので一石二鳥ですね。
薬に頼る前に、できるところから生活習慣を整えて、自然に出る体を取り戻しましょう!
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