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咳喘息

風邪を引いた後に咳だけが
ずっと続いて辛いゎ…

普段外来をしていても風邪の後に咳が続くという方がとても多いですね。

こんにちは、消化器内科医のべっちょむです。

風邪の後に長引く咳を経験したことのある方は少なくないんじゃないでしょうか?多くは感冒後咳嗽というもので自然に良くなるのですが、8週間以上続くこともあります。この場合は咳喘息という病気かもしれません。今回は、気管支喘息の亜型ともいわれる咳喘息について解説していきます!

この記事を書いた人

べっちょむ先生

資格:内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医。FP2級、簿記3級。

消化器内科を専門とし、病気だけでなく患者さんを幅広く診れる医師でありたいという思いから、2024年4月から訪問診療を行っています。

一児の父。映画鑑賞と温泉が至福の時。ゴルフとキックボクシングもやってます。

目次

1 咳喘息とは?

8週間以上続く咳のことを慢性咳嗽といい、その原因の半分以上は咳喘息といわれています。症状は咳が長引くということだけで、気管支喘息のようなヒューヒューゼーゼー音が鳴る喘鳴はみられません

でも、気管支喘息の亜型や前段階ともいわれていて似ているところは多くあり、①夜から朝方にかけて症状が出やすい②アレルギー炎症で気道が過敏になっている③風邪などの上気道炎やタバコ、花粉、黄砂などが誘因となるといった共通点があります。

ちなみに慢性咳嗽の三大原因は咳喘息と逆流性食道炎、後鼻漏(鼻汁の喉への垂れ込み)です。

2 咳喘息の検査

咳が8週間以上(もしくは3週間以上)続く場合は何か治療しないといけない原因があるはずですので一度受診してください。

咳喘息の検査としてはスパイロメトリー(肺活量検査)も行いますが異常がないことが多く、呼気中NO検査が診断に有用です。気管支喘息でも有用な検査とお伝えしていましたが、咳喘息でも簡便で有用な検査になります。

また、気管支拡張薬(β刺激薬等)の投与で咳が改善することが特徴的なので、心不全など他の病気がないことを確認した上で気管支拡張薬を試してみることもあります。

3 咳喘息の治療

治療は基本的に気管支喘息と同様で、発作時には短時間作用型β刺激薬(SABA)長期管理はステロイド薬の吸入になります。

吸入ステロイドで効果が乏しい場合には他の作用も追加した吸入薬やステロイドの内服を行うこともあります。

気管支喘息での重要ワードであったリモデリング(繰り返す気道炎症により気道が硬くなったり狭くなること)が咳喘息でも起こってしまうため、吸入ステロイドを中心とした長期管理がとても大事になります。

4 感冒後咳嗽との違い

風邪の後に咳だけが残ってつらいという声をよく耳にします。多くの場合は感冒後咳嗽という状態で、風邪により上気道が過敏になっており咳が出やすい状態になっていることを指します。2~3週間程度で自然に症状が治まりますので、咳止めの内服のみで大丈夫です。

ただし、2〜3週間の間では感冒後咳嗽と咳喘息の見分けをつけるのは正直難しいので、どれくらい症状が続くかで判断することになります。

5 まとめ

咳喘息は気管支喘息の亜型、もしくは前段階と言われており、治療が不十分であれば30~40%に気管支喘息に移行してしまいます。咳喘息は治る病気ですが気管支喘息は完全には治らない病気です。

長く咳が続く場合には、医療機関を受診して咳喘息の診断が下ればステロイド吸入などの治療で気管支喘息への移行を防ぐことが大事です。

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