MENU

タバコのやめ方

昔はみんなタバコを吸っていたけど、最近は喫煙所を探すのも大変なくらいに吸いにくい環境になってるよね。

でも、タバコって依存性があるからやめるのってなかなか大変ですよね。

こんにちは、消化器内科医のべっちょむです。

これまでタバコによる人体への悪影響や加熱式タバコ、シーシャ(水タバコ)について解説してきました。自分の健康のことは勿論、周りの人への健康被害もありますし、最近ではタバコを吸える場所がとても限られて肩身の狭い思いをされている方も多いんじゃないでしょうか?

でもやめたいと思ってもなかなか簡単にやめられないのがタバコの怖いところです。

そこで、今回はタバコをやめる方法について解説していきたいと思います!

この記事を書いた人

べっちょむ先生

資格:内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医。FP2級、簿記3級。

消化器内科を専門とし、病気だけでなく患者さんを幅広く診れる医師でありたいという思いから、2024年4月から訪問診療を行っています。

一児の父。映画鑑賞と温泉が至福の時。ゴルフとキックボクシングもやってます。

目次

1 タバコをやめるメリット

①健康面

みなさんタバコは体に悪いってことは何となく知ってると思いますし、前々回の記事で具体的にどのような病気になりやすいかを解説してきました。では、タバコをやめると実際に効果はあるのか、今さらやめても意味があるのかという点について肺癌を例にみていきましょう。

この場合の喫煙者とは、1日20本を20年間吸った場合の人としていますが、禁煙後の期間が長ければ長いほど肺癌のリスクは減り、吸わない人と同じレベルになるには20年かかるということがわかります。

それでもやっぱり吸い続けると更にリスクは高くなりますし、やめることによってすぐにではないですけどだんだんとリスクは減らせるということは間違いないですね。

②金銭面

タバコ税の増税により年々タバコの値段が上がって最近では一箱450円~560円程します(一箱300円位だった頃が懐かしいですね)。ですので、毎日一箱吸う場合だと一箱500円強として年間20万円もタバコに使っていることになります。日常的に購入するものなので積み重なると結構な額になりますね。

20万円あればハワイ旅行にもいけるし国内でもかなり豪華な旅にも行けちゃいますょ。さらに言うと5年間で100万円にもなりますので禁煙による節約効果は侮れません。

2 ニコチン依存症

タバコを吸っている方の多くは一回は禁煙してみようと思ったことがあるんじゃないでしょうか?それでも簡単に禁煙できなかったのは、ニコチン依存症のせいです。ニコチンは脳にあるニコチン受容体に結合してドーパミンという快楽物質が大量に放出されて「気持ちいい」「ホッとする」「おいしい」といった感覚が生まれます。

そしてニコチンが切れてくるとニコチンを摂取したくなり「イライラする」「集中できない」「頭が痛い」などの離脱症状が出てきます。

依存症ですので、自分の意志だけでは簡単にやめられないのは仕方のないことだと思います。実際に自力で禁煙できるのは10%程度といわれています。。

3 タバコをやめる方法

そこでタバコをやめる方法として禁煙補助薬の力を借りると禁煙成功率が高まりますので、自分は使わない手はないと思います。

禁煙補助薬には内服薬貼付薬(貼り薬)があります。

①バレニクリン(内服薬)

内服薬は脳内のニコチン受容体に結合することによって、タバコからのニコチンをバリアする作用があり、その結果、タバコを吸っても不味く感じるようになります。一応、ニコチン受容体に結合してドーパミンも少量分泌されるため離脱症状に苦しまないよう工夫されています。

実はチャンピックスというお薬が保険適応になっていたのですがニトロソバレニクリンという発癌の危険性がある物質が含まれていることが判明し、2021年から世界的に発売が中止となったため、現在は発癌性がないとされている後発品が保険適応外で流通しています。

保険適応であった時のチャンピクスの費用は受診料など諸々込みで約2万円/12週間(3割負担)程度でした。現在は自由診療になりますので、医療機関ごとに費用は異なりますがさらに高額にはなります。

バレニクリンによる禁煙成功率は約65%とされています(M.Nakamura et al. Clin Ther. 2007 Jun.)。

副作用としてはめまいや眠気が出ることがあり徐々に改善しますが運転には注意が必要です。

②ニコチンパッチ

ニコチンを貼り薬で取り込むことにより離脱症状を防ぎ、喫煙時より低い濃度のニコチン濃度を維持して徐々にニコチン量を減らして禁煙に導く方法です。

保険適応になり、費用は13,000円/8週(3割負担)程度です。

成功率は20-60%と幅がありますが、内服薬と比べて効果が低いです。

市販のニコチンガムも同じ作用ですが、ガムは保険適応では販売されていません。

4 まとめ

禁煙の方法について医療者視点で解説してきました。禁煙方法についてはたくさんの人が色んなアドバイスをしているので色々参考にしてもらっていいと思いますが、何より大切なのは喫煙が体に悪いということを心の底から理解することだと思います。心の底からタバコは悪いものと思えたら禁煙成功率はぐんと上がりますし、その上でお薬を使ったり色々な方法を試してみると効果的でしょう。

また、薬での禁煙に一旦成功したとしても1年後にも禁煙できているのは30-40%程度と言われています。半分以上の人がまた吸ってしまうのですが、失敗したらもう一度チャレンジすればいいだけです。あまり深刻になりすぎずに、でも諦めることなく何回でも禁煙トライしてみましょう ^^

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次