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胃カメラを楽に受ける方法 4選!

はじめまして消化器内科医のべっちょむといいます。
専門の消化器を中心にお役立ち情報をお送りしていきますのでよろしくお願いします!

胃カメラについて、

胃カメラを受けないといけないと思っていてもなかなか踏み出せないって方、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。

オエッとなるのが怖い、もし検査をして胃癌が見つかったらどうしよう、実際どんな感じかわからないなど不安は色々あると思います。

そこで、今回は胃カメラを受けることによるメリットと実際の検査方法、最後に楽に受けられる胃カメラの方法をご紹介したいと思います。

この記事を書いた人

資格:内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、FP2級、簿記3級

専門の消化器を中心に内科全般についてわかりやすく解説するブログです。

一児の父。映画鑑賞と温泉が至福の時。ゴルフとキックボクシングもやってます。

目次

1 胃カメラを受けることによるメリット

お腹が痛い時や胸やけがする時に病院に行くと胃カメラを受けましょうという流れになると思います。

この場合は胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎なんかが見つかることが多いですが、まれに胃癌が見つかることもあります。

でも、症状が出るほどまでに胃癌が進行している場合は手術が必要になったり、他の臓器に転移してしまっていることが多いです。

なので、無症状のうちに胃カメラをして早期のうちに発見することがとても重要です

2 胃カメラの種類と方法

まずは胃カメラの種類について、一般的に通常内視鏡と細径内視鏡の2つの種類があります。

通常内視鏡は8-9mm径、細径内視鏡は5-6㎜径(鉛筆やうどんくらい)です。通常内視鏡は口から、細径内視鏡は鼻と口から両方で可能です。

口からだとオエっとしてしんどいですし、鼻からだと鼻を通るときに痛みを感じることがあるので、どちらも局所麻酔を行います。

細径内視鏡の方が細くて負担が少なく、特に鼻から挿入する場合はオエっとする刺激が少なくて済みます。但し、操作の安定性や細かい所見などは通常内視鏡よりも劣るためピロリ菌がいる、もしくは除菌された方では胃癌のリスクが高いので通常内視鏡の方が適していると思います。

とはいえ、最近は細径内視鏡の精度もすごく上がっているので、検査がしんどいという方は細径内視鏡でも大丈夫です。

3 胃カメラを楽に受ける方法 4選

①あきらめて力を抜く

それではいよいよ胃カメラを楽に受ける方法についてですが、まずはもう検査の台に乗って横になってもらったらあとは身を任せるしかないのでできるだけ強ばらずにあきらめて力を抜いてください。とくに、首、肩、舌に力が入るとしんどいです。

というのも、いよいよ検査が始まると緊張したり力が入ったりすることによってのどの反射が強くなったりのどが閉まって挿入が難しくなりさらにしんどくなってしまうからです。

検査してくれる先生を信頼してください。

②挿入しやすい姿勢に、唾を飲み込まない

心の準備が出来たら次は姿勢を整えます。

左横向きに寝ていただくのですが、このときに顎を引かないようにしてください

顎を引いてしまうと内視鏡のスコープが曲がって入る形になって入りづらく、やられる方も喉が押されるような感じになりしんどい思いをします。顎は突き出すような姿勢にするとすっと入りやすくなります

この時も実は力が入っていると誰でも顎が自然に引くようになるので①と同様に力を抜くことを意識してください。

あと、のどの方に唾液が溜まりやすいんです。でものどの麻酔をしているので、それを飲み込もうとすると気管の中に唾が入り込んでムセてしまいます。そうすると無茶苦茶しんどくなります。

なので、絶対に飲み込まないぞと心に決めて唾がでてきても口から外に垂れ流すようにしてください。

③呼吸をととのえる

あと、胃カメラの時に呼吸の仕方をどうしていいか分からなくなると思います。

息を吸おうとすると力が入ってしまうので、まずは息を吐きってください。そうすると自然に軽く息を吸えます

鼻からゆっくりと息を吐きだしてみてください。

また、特に鼻から胃カメラの場合には鼻呼吸をしている方が口呼吸をしているのに比べて全体的な不快感や鼻やのどの痛み、窒息感、腹満感が少ないという研究データが出ています。また、術者にとっても咽頭の見やすさや内視鏡の操作性も鼻呼吸の方が優れているという結果も出ているので、特に鼻からの場合は鼻呼吸を意識してみて下さい

https://www.thieme-connect.com/products/ejournals/abstract/10.1055/a-1900-6004

④鎮静剤を使う

最後に、実はこれが一番大事なのですが楽に検査を受けたい場合は、鎮静剤を使用することをおすすめします

鎮静剤というのは点滴でうとうとするお薬を体の中に入れていくので、半分寝ているような状態で検査を受けられます。寝てしまえば力が入ることもあまりなくなりますし、呼吸の意識もしなくて済みますね。

もちろん、効き目は個人差があって「気づいたら検査が終わっていてすごく楽でした」っていう場合もあれば「全然効かなくて検査中ずっと目が覚めてました」っていう方もおられます。普段からお酒をたくさん飲む方やお酒が強い方、睡眠薬を常用されている方なんかは鎮静薬の効果が得られにくい傾向にあります。

デメリットとしては検査終了後に目が覚めるまで30分から1時間程度休んでもらうため帰宅が少し遅くなることと、車やバイク・自転車の運転は危険なので徒歩や電車・バスなどで受診していただく必要があることです。あと、鼻からの場合は鎮静剤を使用するメリットがあまりないので使用しない施設がほとんどです

まとめ

胃カメラを受けるメリットや種類、楽な受け方についてお伝えしてきました。

日常診療を行っていて、今まで一度も胃カメラを受けたことがないという方の中に大きな胃癌が見つかって手術になったり、場合によっては他の臓器に転移していて化学療法(抗がん剤)しか手がないという方をみることが少なくないです。

胃癌の原因の99%にピロリ菌が関連しているといわれており、今までに検査さえやっていればピロリ菌を除菌して定期的に胃カメラを受けていれば早期に発見できたのにと悲しくなります。

なので、今回お伝えしたことを踏まえて一度胃カメラを受けてみて下さい!

自分は高校生の時に祖父を胃癌で亡くしており、このような方を一人でも多く早期発見で救うことができればと願っております。

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