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大腸ポリープについて

こんにちは、消化器内科医のべっちょむです。

大腸検査でポリープがあったので取ってもらいました。
これからも毎年検査した方がいいのかな?

大腸ポリープってやっぱり癌と関係あるのかな??

大腸ポリープの中にも種類がいくつかあり、癌になる可能性があり取った方がいいものとそうでないものがあります。
今回は大腸ポリープについてまとめていきたいと思います!

この記事を書いた人

べっちょむ先生

資格:内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医。FP2級、簿記3級。

消化器内科を専門とし、病気だけでなく患者さんを幅広く診れる医師でありたいという思いから、2024年4月から訪問診療を行っています。

一児の父。映画鑑賞と温泉が至福の時。ゴルフとキックボクシングもやってます。

目次

1 大腸ポリープとは

まず大腸ポリープとは、“大腸の中にある盛り上がった病変”のことをいいます。

症状は基本的に無症状ですが、稀にポリープから出血して血便をみとめることもあります。目に見えて出血していなくても便が擦れてごく少量出血することもあり、実際に症状はありませんが便潜血検査で引っかかることもあります。

ポリープの中にも種類がいくつかあり、大きく腫瘍性ポリープ非腫瘍性ポリープの2つに分かれます。

2 腫瘍性ポリープ

腫瘍性ポリープとは

腫瘍性ポリープは多くは「腺腫」といわれるものになります。腺腫は放っておくと癌になる可能性を秘めており、すでに癌化しているものを腺癌といいます。

腺腫が癌化するファクターとして、腺腫の大きさが最も関連しているといわれ重要視されています。

腺腫のサイズ別の癌化率

サイズ別の癌化率は以下のようになっており、大きくなるにつれ癌化のリスクが高くなることがわかります。

6㎜以上になると5㎜以下と比べて癌の確率が高くなり、さらに10㎜以上では癌のリスクが急速に高くなります。

5㎜以下・・・0.4%
6~9㎜・・・3.4%
10~14㎜・・・12.0%
15~19㎜・・・20.7%
20~24㎜・・・26.6%
25~29㎜・・・32.1%
30㎜以上・・・28.7%

引用:山野泰穂ほか. 大腸腫瘍性病変の臨床病理学的特性からみた内視鏡治療の適応と実際ースネアEMRの観点から 胃と腸 2007; 42: 1053-1059

治療適応

上記の癌化率を考慮して、日本では「6㎜以上は切除を推奨するが、5㎜以下は切除してもいいが経過観察も容認される」となっています(大腸ポリープ診療ガイドライン2020)。ただし、5㎜以下であっても内視鏡的に癌を疑う病変に対しては切除することが推奨されています。

ちなみに、欧米では5㎜以下であっても発見した腺腫性ポリープはすべて切除することが推奨されています。

切除の方法については生検と切除のちがいと切除方法を参考にしてください。

3 非腫瘍性ポリープ

非腫瘍性ポリープとは

非腫瘍性ポリープには過形成性ポリープや炎症性ポリープ、過誤腫性ポリープなどがあり、頻度は過形成性ポリープが圧倒的に多いです。

過形成性ポリープ

これらは名前からもわかるように基本的に癌化はしないため、経過観察とします。

非腫瘍性ポリープでも一部癌化することあり

しかし、全例で経過観察で良いかというと、実は一部に癌化する可能性があるものもあります。

SSA/PやTSAなどと呼ばれる病変では一部で癌化することが報告されており、サイズによっては切除が推奨されています。この辺りは専門的な話になりますので、内視鏡をしてくれる先生にお任せしましょう。

4 大腸ポリープの原因と予防

大腸ポリープに関してのデータはあまりないため、大腸癌の危険因子をご紹介します。

年齢(50歳以上)大腸癌の家族歴は特に重要とされており、また、高カロリー摂取や肥満過度のアルコール喫煙も危険因子として報告されています。

一方で、適度な運動食物繊維、果物、野菜の摂取が抑制因子になるといわれていますが、積極的な摂取による発生率減少のデータはまだでていません。

大腸癌危険因子:①年齢(50歳以上)、②大腸癌の家族歴、③高カロリー摂取や肥満、④過度のアルコール、⑤喫煙
大腸癌抑制因子:①適度な運動、②食物繊維、果物、野菜の摂取

5 検査のフォロー間隔

大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン(2020)より引用、作成

大腸カメラを行い、ポリープがなかった場合、ポリープを切除した場合の個数や早期大腸癌であった場合など層別にフォロー間隔の推奨がされています。

異常なしの「検診に戻る」は基本的に便潜血検査のことですが、何もなくても便潜血陽性になることがあり、再度陽性になった場合に直近で大腸カメラを行うかどうかは主治医の先生と相談してください。また、便潜血検査をせずに初めから大腸カメラを行う検診の場合は5年後を目処に行うことが推奨されています。

6 まとめ

今回は大腸ポリープについて解説しました。

大腸ポリープは大腸癌の原因となるものであり、癌化する前に切除することが大事です。また、便潜血検査を受診することにより大腸癌の死亡リスクが減少できることが証明されています。

大腸癌は定期的な検査によって予防できる癌です。

将来後悔しないよう、便潜血検査、大腸カメラを積極的に受けるようにしてください!

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