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食道癌について

最近芸能人の方で食道癌になったってニュースがありましたよね

まだ発見が早かったから治療できる段階なのかなと思ってるんですけど、、

ほんとに、そうだといいですね。
ところで、食道癌は進行が速いのかな?どんな人がなりやすいんだろう??

どういった症状が出てくるのかも気になりますね。

こんにちは、消化器内科医のべっちょむです。

先日、石橋貴明さんが食道癌が診断されて活動休止されたというニュースがありました。胃癌や大腸癌に比べるとそんなによく耳にする病気ではないですが、決して少ない病気ではないんです。

食道癌は早期発見が難しい癌のひとつですが、知っておくことで早期発見・早期治療につながる可能性があります。今回は食道癌について、どんな人がなりやすいのか、どういった症状が出てくるのか、治療方法などについてまるっと解説していきます!

この記事を書いた人

べっちょむ先生

資格:内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医。FP2級、簿記3級。

消化器内科を専門とし、病気だけでなく患者さんを幅広く診れる医師でありたいという思いから、2024年4月から訪問診療を行っています。

一児の父。映画鑑賞と温泉が至福の時。ゴルフとキックボクシングもやってます。

目次

1 食道癌とは?

食道癌とは?

食道癌とは、口から胃へと食べ物を運ぶ「食道」という管状の臓器にできる癌のことを指します。

食道は約25cmほどの長さがあり、首の付け根から胸、そして胃の入り口まで続いています。食道癌はこの食道の粘膜にある細胞が異常増殖することで発生します。特に日本では、食道の中央部分(胸部中部)に癌ができることが多く、進行すると周囲の臓器やリンパ節、肺、肝臓などへ広がることもあります。

食道癌は初期にはほとんど症状がなく、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。そのため、早期発見・早期治療が非常に重要ながんのひとつです。

食道癌の種類と特徴

食道癌には大きく分けて2つのタイプがあります。

日本人に最も多いのが「扁平上皮癌」で、これは食道の内側を覆っている扁平上皮という細胞から発生します。喫煙や飲酒、熱い飲み物を日常的に摂る習慣が強く関与するとされ、主に中高年の男性に多くみられます。

もうひとつは「腺癌」で、こちらは食道の下部に発生することが多く、逆流性食道炎やバレット食道(食道の粘膜が胃のように変化した状態)を背景に発生します。腺癌は欧米で多いですが、日本でも生活習慣の変化に伴い近年少しずつ増えてきています。

2 食道癌の主な原因・リスク要因

食道癌の発症には、日々の生活習慣が深く関係しています。特に日本で多い扁平上皮癌の主なリスク因子は「喫煙」と「飲酒」です。タバコの煙には発がん性物質が含まれ、お酒を飲むと顔が赤くなる「ALDH2遺伝子欠損」を持つ人は、分解能力が弱く、食道癌のリスクが大幅に上がるとされています。

お酒を飲むと顔が赤くのはフラッシャーって呼ばれるやつですね。僕もすぐに赤くなるから注意しないといけないですね。

また、熱すぎる飲み物の常飲や、慢性的な炎症(逆流性食道炎など)も危険因子となります。欧米型の腺がんでは、バレット食道という状態が背景にあることが多く、これも逆流性食道炎が長年続くことで起こります。

3 食道癌の症状

食道癌は初期にはほとんど自覚症状がないため、発見が遅れるケースが多いのが特徴です。進行すると「食べ物がつかえる」「飲み込みにくい」といった症状が現れます。特に固形物が飲み込みづらくなり、次第に液体でも違和感を覚えるようになることがあります。

また、食道の近くには声帯を動かす神経が通っているため、がんが進行すると「声のかすれ」や「嗄声(させい)」といった声の変化も起こりえます。その他、胸の痛みや背中の痛み、慢性的な咳、体重減少、食欲低下なども進行したがんに見られる症状です。

特に「なんとなく飲み込みにくい」と感じたときには、早めの検査をおすすめします。

4 食道癌の検査方法

食道癌の診断には、内視鏡(胃カメラ)検査が最も有用です。内視鏡を使うことで、食道の粘膜を直接観察し、わずかな変化でも見逃さずに発見することができます。疑わしい部分があれば、その場で組織を採取し、病理検査を行って確定診断できます。

早期の食道癌は盛り上がりもなく平べったい様相を示すので、分かりにくく胃カメラでしっかりと見て診断する必要があります。
それ以外の方法では見つけられません。

加えて、がんの進行度(ステージ)を把握するためには、全身のCT検査、超音波内視鏡(EUS)、PET検査などが用いられます。これらの検査で、がんの深さ、リンパ節や他臓器への転移の有無を総合的に判断し、治療方針を立てていきます。

5 ステージ別の治療方法と予後

ステージ0〜I(早期がん)

  • 内視鏡的切除(ESDなど)で治療が可能
  • 5年生存率:約85〜90%

ステージII〜III(局所進行がん)

  • 手術(食道切除+再建)
  • 化学放射線療法
  • 5年生存率:30〜50%程度

ステージIV(転移あり)

  • 抗がん剤治療
  • 免疫療法(オプジーボなど)
  • 5年生存率:10%以下

食道癌の治療法は、がんの進行度(ステージ)によって大きく異なります。ステージ0〜Iの早期がんでは、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)という体への負担が少ない方法で根治が可能なケースもあります。ステージII〜IIIでは、手術による食道切除と再建(胃を食道に縫い合わせるなど)が必要になることが多く、化学療法や放射線治療を組み合わせることもあります。ステージIVで遠隔転移がある場合には、抗がん剤や免疫療法(オプジーボなど)が中心になります。

治療成績はステージにより異なり、早期であれば5年生存率が80〜90%ととても良好ですが、進行がんでは30%以下に下がるため、やはり早期発見が極めて重要です。

早期発見のカギは「胃カメラ」
以下のような方は、定期的な胃カメラ検査をおすすめします。
・大酒家、ヘビースモーカー
・お酒で顔が赤くなる
・熱い飲み物をよく摂る

6 まとめ

項目ポイント
日本で多い食道がん扁平上皮がん
主なリスク喫煙・飲酒・熱い飲み物
症状初期は無症状、進行するとつかえ感
検査胃カメラが最も有効
治療法ステージにより内視鏡・手術・抗がん剤など
予後早期なら良好。進行すると厳しい

いかがだったでしょうか?

お酒とたばこをたくさんされる方やお酒を飲むと顔が赤くなる人は食道癌になりやすく、初期では症状はなく進行するとつかえ感やかすれ声などの症状が現れます。検査は胃カメラ一択で早期発見できれば治療成績は良いですが進行していると厳しいという病気です。
また、食道癌は胃癌や大腸癌と比較して進行するのが比較的速く、特に、酒・タバコを多くされる方は要注意です!

早期発見・早期治療が命を救うカギになります。

「なんとなく飲み込みにくい」「声がかすれる」などの症状があれば早めの消化器内科受診を、リスクが高そうな方は定期的な胃カメラ検査を心掛けましょう!

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