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糖尿病② 検査と診断

糖尿病になっていてもほとんど症状はないんだね。

そうみたいですね。症状が出てからではかなり糖尿病が進行しているようなのでこわいです(>_<) 症状が出る前に早めに診断することが大事ですね・・

こんにちは、消化器内科医のべっちょむです。

糖尿病は症状が出にくい病気で、症状が出てしまった場合にはすでにかなり進行していることが多いということを前回お伝えしました。糖尿病が進行すると、脳梗塞や心筋梗塞になったり、失明や腎不全で週3回透析に通う必要が出てくることがあるとても怖い病気なんです。

そのため、糖尿病は早めに診断して治療する、もしくは予備群であれば糖尿病にならないように予防することがとても大事です。

今回は、糖尿病の検査と診断について解説していきたいと思います!

この記事を書いた人

べっちょむ先生

資格:内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医。FP2級、簿記3級。

消化器内科を専門とし、病気だけでなく患者さんを幅広く診れる医師でありたいという思いから、2024年4月から訪問診療を行っています。

一児の父。映画鑑賞と温泉が至福の時。ゴルフとキックボクシングもやってます。

目次

1 血糖値

糖尿病の検査といえば血糖値!

を思い浮かべる方が多いと思います。

血糖値とは、血液中にどのくらいのブドウ糖が含まれているかを示す濃度の指標で、

起床時(空腹時)では70-100mg/dL、食後であれば140mg/dL以下正常とされており、

⇒起床時(空腹時)で126mg/dL以上、食後で200mg/dL以上であれば糖尿病の可能性が高いと考えられます。

血糖値は簡易測定で家でも測れるくらい簡単で良い反面、変動が激しく測定するタイミングによって数値が変わる上、上がっている時なのか下がっている時なのかも分からない数値でありこれだけで診断することは難しいです。

2 HbA1c

そこで使い勝手が良いのがHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)なんです。

糖尿病に馴染みのある方はご存じだと思いますが、初めて聞いたという方も少なくないと思います。

HbA1cは最近1~2か月間の血糖値の平均を知る指標であり、診断や治療が上手くいっているかどうかの判断材料として優れておりとても便利です。

数値の目安としては5.6%以下が正常で、6.5%以上で糖尿病の疑いとされており、8%を超えるとかなり進行した糖尿病の可能性が高いです。また、HbA1cは数値が高ければ高い程、重症の指標となります。

HbA1cはよく体温に例えられ、
HbA1c6%→体温36℃、HbA1c7%→体温37℃、HbA1c8%→体温38℃、HbA1c9%→体温39℃といったようにHbA1cが8%や9%のように高くなればそれだけ重症ということがわかります。

3 糖尿病の診断

糖尿病の検査には血糖値とHbA1cがあるとお伝えしてきましたが、どうなると糖尿病と診断されるのか、診断基準は以下の様になっています。

75gOGTT検査は、サイダーのような甘い飲み物を飲んでもらって2時間後の血糖値を測定するもので、血糖値とHbA1cの結果がグレーゾーンだった場合に行われます。

実際はもっと複雑な診断基準が設けられているんですけど、ざっくり血糖値とHbA1cの基準を両方満たしていれば糖尿病と診断されると思ってもらって良いでしょう。また、血糖値とHbA1cのどちらかが引っかかった場合は1ヶ月以内に再検査を行う必要があります。

4 まとめ

今回は糖尿病の検査と診断について解説しましたが、いかがだったでしょうか?

自分や家族が糖尿病の方はもちろん、健診で糖尿病の可能性があると言われたけど特に症状がないからと病院に行っていない方など、糖尿病の検査で最低限知っておいていただきたいことをお伝えしました。

何度も言いますが、糖尿病は症状が出る前に診断して治療することがとても大事な病気です。健診などで早めに捉えるようにしてくださいね!

今回の記事が健診を受けるきっかけや検査結果の判断に少しでも役に立ててもらえればと思います。

次回は、糖尿病の合併症について解説していきます!

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