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熱中症のサインと対策方法

以前と比べて最近の夏の暑さはほんとに恐ろしいくらいに暑いですね

ほんとそうですよね、熱中症になる人もすごい増えてるみたいですよ

そうでしょうね、こわくて外を出歩けないわ…

こんにちは、消化器内科医のべっちょむです。

ここ数年から数十年の期間で夏の暑さはだんだんヒートアップしているように感じますよね。実際には1990年以降、地球温暖化の影響で顕著に気温が上昇しており、ここ数十年では毎年のように高温記録が更新されています

最高気温35度以上の猛暑日の数も増えていて、それに伴って熱中症による救急搬送の件数も増加して昨年2023年では12万人もの人が熱中症で救急搬送されています。熱中症は重症になると後遺症が残ったり死に至ることもある病気ですので、予防と応急処置がとても大事です

今回は、熱中症のサインと対策方法について解説していきます!

この記事を書いた人

べっちょむ先生

資格:内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医。FP2級、簿記3級。

消化器内科を専門とし、病気だけでなく患者さんを幅広く診れる医師でありたいという思いから、2024年4月から訪問診療を行っています。

一児の父。映画鑑賞と温泉が至福の時。ゴルフとキックボクシングもやってます。

目次

1 はじめに

人間は普段、暑いところにいて体温が上がると汗をかいたり体の表面から熱を空気に逃がして体温の調整を行っています。ところが、体温を調整する機能が未発達もしくは低下している小さい子どもや高齢者は効率よく体温を下げることが出来ずに体温が上がってしまい、熱中症になりやすくなります。

もちろん、若い方でも炎天下の中で工事現場で働いていたり激しい運動をすることにより熱中症を起こすことはありますが、救急搬送される人のうち6割以上が子供と高齢者といわれています。

また、救急搬送のうち屋内で発生したケースは全体の約40%をも占めており、外に出ないから安心というわけではなく家の中でも油断してはいけないんです(参考:総務省消防庁)。

2 熱中症のサインと重症度

熱中症とひとくちにいってもレベルが様々で、重症度分類がありそれぞれの症状対応の仕方が変わってきます。

Ⅰ度(軽症)

まず軽症では、めまい立ちくらみ筋肉のけいれんを起こし大量の発汗がみられます。また、脱水症状として頭痛や吐き気、倦怠感などの症状がみられることもあります。

軽症の熱中症であれば経験したことのある方も少なくないじゃないでしょうか?

Ⅱ度(中等症)

中等症になると軽症の時より明確な症状が現れます。

脱水による頭痛吐き気・嘔吐が出現し、倦怠感により動くことが難しくなったり意識がぼんやりすることもあります。

Ⅲ度(重症)

重症になると意識が朦朧としたり反応が鈍くなる、また全身のけいれんが起こることもあります。

体温は40℃を越えることもあり、呼吸がしんどくなったり血圧が低下したりと非常に危険な状態で命に関わることもあります

3 重症度別の対応方法

Ⅰ度(軽症)

軽症の症状が見られた場合はすぐに涼しい場所に移動して、水分や塩分を補給することが重要です。もし自分で動けない場合は周りの人に助けてもらってでもするようにしましょう。

20分くらい休んでも症状が良くならない場合は早急に医療機関を受診した方がいいです。

Ⅱ度(中等症)

中等症の症状がある場合は、軽症の場合と同様に涼しい場所に移動して水分や塩分の補給はする必要はあるのですが、この状態になると高度の脱水状態にあるため早めに医療機関を受診してください。

Ⅲ度(重症)

重症になると、対応としてはすぐに救急車を呼ぶことです。

意識が悪かったり吐いている場合は水分補給も難しいですので無理にせず、涼しい場所に移動して衣服をゆるめて冷たい水を使って体を湿らせたり氷嚢を置くなどの対応をするのが良いです。また、冷やす部位は太い血管がある、頚部、両脇、両足の付け根、体幹部を主に行うと効果的です。

4 熱中症の予防

ここまでで熱中症の症状と重症度に応じた対応方法をお伝えしてきましたが、

何より大事なことは熱中症にならないことです。熱中症予防を心掛けましょう。

①熱中症になりにくい体を作る

同じ環境にいても寝不足だったり疲れが溜まっている状態、二日酔いだったりすると熱中症にやられてしまいやすいですので普段から熱中症になりにくい体を作っておくことが大事です。

また、ウォーキングや軽いジョギングなど日常的に適度な運動をして汗をかく習慣をつけておくと体温調節機能を高めることができます。あとはバランスの良い食事を心掛けることも大事ですね。

②こまめな水分補給

喉が渇いた時に水分をがぶ飲みするというのではなく、こまめに水分を補給することが大事です。特に高齢の方は喉の渇きが鈍くなっているので意識してこまめに水分補給をする必要があります。

また、何を飲めばいいかに関しては状況によって正解が変わります。

普段の水分補給であれば水やお茶で良いですが、脱水の時には水分以外にも塩分が不足するのでスポーツドリンクや経口補水液(OS-1)を補給することが望ましいです。但し、スポーツドリンク500mlには角砂糖5個分の糖分が含まれており飲みすぎには注意が必要で、経口補水液に関しても飲みすぎると電解質(ナトリウムやカリウム)の異常をきたすことがあるので1日1-2本までとされており、脱水状態でない場合は飲まないことが推奨されています。

③エアコンの使用

熱中症で亡くなる方の40%は夜間に亡くなると言われています。それは日中に受けたダメージに対する適切な処置をしなかった場合、夕方や翌日にダメージが出てくるからです。また、家でいても夜でもかなり暑くなるので、エアコンの使用は必須と言っていいでしょう。

ですが、高齢の方でエアコンを使いたがらない方が一定数おり、その理由として「そこまで暑くない」「電気代がもったいない」「エアコンで体が冷えると良くない」といった声が多いようです。

実際、高齢の方では温度に関する感覚が弱く暑さを感じにくい傾向があるのは事実ですが、近年のエアコンは省エネ効果が高く電力消費が以前と比べて高くなく、熱中症になることを考えればエアコン代は必要なコストだと思います。

また、「暑さはがまんするものだ」という考えの方もいるようですが、昔と違って今は気温が上がっていてがまんの域を超えているということ、高齢になって熱中症になりやすくなっているということを理解してもらうことも大事です。

5 まとめ

熱中症のサインと対策方法について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

熱中症は最悪の場合、後遺症が残ったり死に至る病気です。とくに小さい子供や高齢者では注意しないといけませんが、地球温暖化により今後も今よりさらに暑くなることが予想されるのでこれからも熱中症の患者さんが増えるでしょう。

熱中症は100%予防できる病気です、正しい知識を持って自分の身体を守りましょう!

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